MSDブラスターSSコイル
今までノーマルから解体屋他車流用、各社C.D.I.専用コイル(阪神エレクトロニクス、GESCO、永井、WAKO、MSDなど)を試してみたが、やはりC.D.I.用に設計されたコイルが一番優れていた(汗)(今更ながら技術者に脱帽)。
C.D.I.に使用するコイルは、色々売られてはいるのだが、特に専用として分けて売られているコイルにMSD社のものがある。同社のC.D.I.の代表であるMSD6Aなどに使える同社製のコイルは何種類かあるのだが、日本でよく売られていてヤフオクなんかでもよく見かけるBlaster
2 コイルというのはMSDの中で一番安いローエンドモデルである。このBlaster
2は私のSJ10に最近まで使用していたが、さすがC.D.I.専用と謳っているだけあって安価の割に良いコイルであった。
さて、今回個人輸入で入手できたのはそれより強力な閉磁型のブラスターSSコイルである。日本には輸入代理店が無いので、滅多に見ることはない。価格は米国ドルで$35.95。同社の最も強力なコイルはBlaster
HVC IIという去年発売されたものなのだが、これがまったくもってマイナーで、しかも値段が110ドル程もするのであまり見向きされないという幽霊みたいなコイルだ(笑)。
C.D.I.の場合は、一次側にかかる電圧はインパルス的な間のものなので、通常の点火装置と違ってポイントが閉じている際に流れる電流がなく、内部・外部抵抗を大きくする必要がないため、コイルは単にトランス的な役割をしている(厳密にはいろいろあるけど、大方こんな考えでOK)。通常、0.6Ω以下のものがほとんどで、中には0.1Ωを大きく下回るものもある。ちなみにSJ10のノーマルコイルは直流抵抗値(実測値)で1.6Ωである。
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今までつけていたワコーのゴールドコイルからアップグレード♪
これはブラスターSSのスペック
BLASTER SS COIL SPECIFICATIONS
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Primary Resistance: |
0.355
ohms |
Peak Current: |
300mA |
Secondary Resistance: |
6.2K
ohms |
Spark Duration: |
180uS |
Maximum Voltage: |
48,000
volts |
Primary
Inductance: |
6mH |
Turns
Ratio: |
70:1
Tested with an MSD 6AL
measured
at plug gap. |
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この1.6Ωの抵抗値は、通常の点火装置でポイント(トランジスタのスイッチ)が閉じている待機状態でのいわゆるチャージ電流を制限する為のものなのでC.D.I.では必要ないことになる。まあ、今までも使ってた事だし、当然使えないことはないのであるが、好ましくはない。
その逆も然りで、ノーマルのジムニーに高性能のコイルが良いだろうと、意味もなくC.D.I.用のインピーダンスの低いコイルを付けるのは、コイルの焼き付きを起こす原因となる。純粋なポイント(フルトラ)の場合は8気筒の車でもコイルのインピーダンスは1.5Ωが普通で、3〜4気筒車では3Ωクラスが普通である。
先日ノーマルのJA11にPertronix社のFlamethrower2という42000ボルトコイルを付けている人を見かけたが、Flamethrower2は内部インピーダンスは0.6Ωなので、ドエル角調整が行われるイグナイターかC.D.I.のような一次電流が瞬間的にしか流れないものにしか通常は使用できないのだ(もちろん、外部抵抗を使って調整すれば使えないこともないのだが、どうもそのあたりを知らない人があまりに多く、つまりは設計外の使用をしていることになるわけで、取り付けた本人はもちろん、販売した店もわかっていないのではないだろうか?)。
また、解体屋等で入手した閉磁型のコイルを昇圧能力が高いだろうと安易にノーマルのジムニーに流用するのはよくない。よく見かける軽についているようなダイヤモンド社のコイルも、SJ10かSJ30であればある程度ローインピーダンス(といっても使えるのは1.5Ω↑程度まで。実際には実測してみないとわからない)で合うものも一部あるが、JA71とかJA11ノーマル点火車に適当に閉磁コイルを付けるのは見かけが同じでも車種によって設計が全く違うため、そのうち故障するのはもちろん、最悪火災に至る恐れもある。先に述べたFlamethrower2にしてもそうだが、C.D.I.ではない車にデータのない適当なコイル交換は絶対にすべきではない。(ノーマル点火の場合、純正が一番である。費用的にも安く出来るコイルの場合、そんなに良い物なら既にメーカーが付けているはず)
ちなみにこのブラスターSSは右上のスペック表のとおり0.355Ωという驚異的なローインピーダンスである。電圧も凄いけどC.D.I.以外に使ったら一発で焼けてしまいそうだ(笑)。ここまで高性能だといろんな実験が出来そうだ。
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コイルを換えて高速道路を走行して最高速にチャレンジ(汗)してみた。なんと!この前まで95キロが限界だったのに、併走する友人に計ってもらったところ(SJ10は90km以上のメータがない(汗))平坦地で、105キロをマークしている・・♪でも他の部分が壊れそうだぁ・・・幌なんて飛んでいきそうだし(泣)。
JA12にもMSDのブラスターSSコイルとワコーのゴールドコイルを付けてみたので、こちらにインプレしてます |
プラグギャップを拡げてみました。
プラグギャップは、最低は消炎距離で決まり、最高はイグニッションコイルの発生電圧の飛火限界で決まるわけだが、この間における着火性能はギャップによって大きく変化する。原理的に言うと火花が飛んだ時にガソリン分子と接触する機会がどれだけあるかということになる訳で、イグニッションコイルの発生するエネルギーに十分余裕がある場合には、プラグギャップを大きくすればするほど着火性能は向上することになる。(実際には発生電圧にも限度があるので無制限には向上していかない)。
こちらに詳細が載っていたので参考に
http://sakai.elec.hkg.ac.jp/sparkplug/newpage11.htm
(ページエラーになったのでキャッシュを置いてあります)
普通は着火性を向上させようとしてプラグギャップを拡げたとしても、放電電圧が高くなるためにイグニッションコイルの発生電圧の余裕がなくなるため急加速時の失火が発生する。このへんのバランスが難しいところで、車にあったプラグギャップを純正は設定しているわけであるが、C.D.I.では高電圧コイルの組み合わせによりさらにプラグギャップを拡げることができることになる。上記URLでプラグギャップの相関図を見ると、1.3o以上は殆ど飽和状態で性能曲線が平滑になっているので、とりあえず1.3oまで拡げてみることにした。
この1.3oのプラグギャップというのは純正の0.8oから見ると62.5%も拡げることになり、ノーマルでは絶対に失火してしまう間隙である。
まず大きく変わったのは始動時のチョークの使い方である。今までのように一杯引っ張らなくてもエンジンは簡単にかかるし、この感じでは極寒時でも始動性はかなり向上していそうだ。
正直言うとさすがに1.3oは無理かもしれない思っていたが、何てこともなく、上り坂で思いきり回してみても全く失火することなく、グイグイ引っ張っていってくれる。
とても簡単に能力向上を目指せるのでC.D.I.を付けている人は是非挑戦していただきたいと思う。(ノーマルでは×。え?もうやってますか。すいません、私実験がのろくて・・・(^^;)。
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センターアーム交換
フリーホイールハブに換えてしばらく調子よく乗っていたが、最近ちょっとしたギャップを踏んだ拍子にハンドルがぶるぶると震えてしばらく止まらないといった症状がでるようになった。「キングピンベアリング?」と思ったが、いくら素人作業とはいえ、この前グリスアップして組んだばっかりだし・・。と色々聞いてみると、こういった症状が出る原因にはいくつかあるらしいことが判明。
1 タイヤの偏摩耗 2 リーフのブッシュのへたり 3 キングピンの摩耗 4 キングピンベアリングの摩耗 5 センターアームのゴム部へたり 6 ナックルのシール部分のへたり、破損・・
うーむ。正直言ってどれも当てはまるような気がするが(汗)、停車状態でステアリングを切って下回りを覗いてみるとなんだかセンターアームが結構ぐにゃぐにゃぐらつきながら動いているようだ。これが本来の姿かどうか不明だが、そういえば友人のSJ10が車検の時にこれを交換したって言っていたぞと、友人のSJ10で同じようにチェックしてみた。
でも新品のはずの友人のセンターアームも多少ぐにゃぐにゃ動いているし、「こんなものなのかなあ」と思いつつ、少しは私のほうが動きが大きいようなので、とりあえず一度も交換したことのないこいつを交換してみることにした。
あるBBSでSJ20のセンターアームのほうがベアリング入りでいいよと聞いたのでSJ20のパーツで早速注文。どうもここはSJ10の欠点らしく、ハンドリングが非常に悪い時に疑うパーツとのこと。部品番号は48700-63201である。
早速交換してみたら、こりゃびっくり。今までのハンドリングって何だったの?ってくらいタイトなハンドリングに改善。停車時にステアリングを切って外から見ても全然ぐにゃぐにゃしていない
し、さすがベアリング。でもこれってクロカンではキックバックをもろに受けそうだね。街乗りONLYの私には関係ないけどさ。
さて、シミーもなくなったし、右の写真のようにSJ20のセンターアームには途中にステアリングダンパー用のボルトが付いているので、もし中古のステダンがあったらそのうち付けてみるのもいいかも。2004/02/09
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うわーゴムがボロボロですね。
こちらはSJ10のはずしたセンターアーム
これは新品のSJ20のベアリング付き |
ミッション
からオイル漏れ(半泣)
どひゃー。センターアームを交換してご機嫌なまでは良かった・・。
普段はキャノピーで通勤している私だが、たまにゃ乗ら
にゃいかん!と久しぶりにSJ10で仕事場へ。帰ろうとしたときに路面にオイル染みを発見した。おいおいハーレーじゃあるまいしちょっと停めただけでオイルが漏れているなんて
?。
早速下周りを除いてみると、ミッションの後ろあたりから結構漏れているようだ(泣)。
つなぎ目かオイルシールかはちょっとみただけでは解らないが、エンジンとかトランスファーのほうからではなさそうだ。2年半前にディーラーでオイルシール含めて全部交換したはずなのに・・。無理かと思いつつ
もディーラーに相談するが、やはり時間が経ちすぎ。無償(タダ)では直らんと言われる。
ちくしょー!こうなったら自分でやってやる
しかない!・・ということで、
原因を探求するべく早速エンジンを降ろすことにした。こんなことやったことはないけどなんとかなるべと、とりあえず近くのホームセンターでチェーンブロックを購入。車庫(といえるほどのモノではなく、2×4材で建てた屋根だけ)の軒を補強してから取り付ける。パイプや2×4材で三脚を作ってもOKのようだ。
まずはバッテリー端子を外してからエンジンにくっついている配線やワイヤー類を外していく。
SJ10の場合、エンジンを降ろすために外すのは、エアクリーナー、ラジエター、ラジエターホース、エンジンオイルのパイプ、ダイナモの配線及びカプラ、デスビの配線、水温計の配線、セルモーターの配線、オイルポンプのパイプ、チョークワイヤー、クラッチワイヤー、アクセルワイヤー、ヒーターのホース(2本)。
念のため、外すところと配線の位置は全てデジカメで写真を撮りながら取り外し。
次にエンジンの左右にあるマウントの基部2本ずつのナットを緩めて、エンジンをロープかチェーンをかけてチェーンブロックで引き上げ、多少浮きかけたところでミッションと継いである4本のナット及びとセルモータの2本のナットを外す。
あとは手前に引くようにしてチェーンブロックで巻き上げていけばOKである。少しずつ持ち上げて忘れた配線が無いか見ておかなきゃね。初めは適当にやったので、吊り上げたら
「あーオイルホースついたままだった!」「あー車体も持上がると思ったらチョークワイヤーついたままじゃん!!」とすべてが滅茶苦茶である(汗)。
ミッションが現れたら、あとは車下に潜ってシフトノブのリンクのボルトを外す。次にミッションの左右にあるミッションマウントのナット2個を外し、そのまま手前に引くとプロペラシャフトが抜けてミッションが取り外せる。ここまでの作業、写真を撮りながらエンジンを降ろすのが初めての素人の自分がひとりで何も参考にしないで行って2時間である。SJ10って単純なのね・・。 |
ここまでで2時間(泣)。
こっちがクラッチ側。点検良好。
ついに現れたミッション。
こんなに小さいのね |