SUZUKI ジムニー SJ10 日記(9)

ご注意

このページには分解整備項目や改造項目が含まれています。
また、内容についてはあくまでも私が文献から個人的に調べたり、実験したりした意見ですので、誤りもあるかもしれません。
こちらを参考に取付や修理作業をされる際には個人の責任でお願いします。 一切の責任は負えませんので予めご了承下さい。
LJ50エンジンにC.D.I.を取り付け、着火性、燃焼効率向上によりパワー増大と省エネ、排ガスのクリーン化を目指す!

 ↓永井電子のC.D.I.外箱より引用・・マジ?
点火装置について

 点火装置といえばフルトラ、セミトラ、ポイント式がまず頭に浮かぶが、実はこの中で接点として一番優秀なのはポイントなのだ 。「えー」と思われるかもしれないが、これは電気関係者なら当然の結論である。 (但し!焼損さえなければの話。ポイント式の機械式接点はONの時抵抗は0で、解放時に無限大となるが半導体接点の場合は理論的もそうはならないのがその理由。 あとは追従性の問題)。

 点火システムの全盛期にはこれらの他にもC.D.I.をはじめボンファイア(ポイントの焼損を防止するだけのもので、フルトラより性能の良いポイント式を生かせるとメーカが言ってた)とか、PBシステム(プロフェッショナル・ボンファイヤー、特殊な構造のIGコイルと昇圧用のDC-DCコンバーターを使用してIGコイル二次側からなるべく多くの電流をとにかく長い時間プラグに流すもので、スパークさせる為の高電圧は普通にフルトラなどで一次側から発生させる)があった。

 PBシステムは、C.D.I.の欠点である低回転時に長い時間の放電ができないことを改善したものであるとの宣伝文句であった。
 他にも日産のR30スカイラインがプラズマスパークという技術を途中のマイナーチェンジのときに導入して宣伝していたが、他車に使われることもなく、3000rpm以下でしか機能しないものであった。

 最近はLEAD社がTI,Cという点火装置を開発している。これは半導体ではなくポイント接点のようににON/OFFが確実に出来る(先に述べた理想に近い機械式を半導体で実現しているらしい)フルトラのような感じだが、点火タイミングは純正フルトラと併用している。エンジン高回転時にポイント式デスビを使用した時に発生する逆起電流による昇圧をねらったものらしい。

 

C.D.I.って何?

 C.D.I.といえば耐寒性、始動性、耐かぶり性、燃費の向上がよく知られている。C.D.I.とは容量放電点火(Capacitive Discharge Ignition)の略で、名前のとおりコンデンサ(キャパシタ)に蓄えた数百ボルトの電圧をイグニッションコイルの1次側に接続する装置である。

 他の点火装置はポイント式からセミトラ、さらにフルトラへと進化したが、これは所詮ポイント部のスイッチング接点のみの進化であって、C.D.I.の発想とは根本的に異なる。ちなみに原理が違うのでポイント式接点の車でもC.D.I.点火装置は取り付けることが出来る。

 なぜC.D.I.が車に普及しなかったかというと、開発された20年も前の技術レベルでは、半導体の性能と電流増幅率と内部抵抗の兼ね合いから瞬時に大電流を流す必要のあるC.D.I.はコスト的にも釣り合いが取れず、そもそも、一般のエンジンに点火する場合に必要な熱量は20mJから30mJと言われているので普通の車には通常必要なかったのだ。

 また、C.D.I.が一番優れている省エネについても当時は現在のように言われておらず、省エネを前面に出しても価格が折り合わず見向きもされなかったのだ。
 また、最近の車はダイレクトイグニッションでC.D.I.が使えない場合がほとんどである。もし使おうとするとC.D.I.が複数必要になってしまう。
 また回路自体が複雑で非常に高価になり、単純な他の点火装置に比べて値段相応のメリットは得られない。

 それなら従来の点火システムでよさそうだが、高回転でパワーを稼ごうとすると通常の点火システムでは役不足になる場合がある。

 なぜなら、ノーマルでの設計性能を大幅に上回るパワーを得ようとするからである。バイクにC.D.I.点火装置のチューンが一般的なのはエンジンが車とは比較にならないほど高回転なために、取り付けるメリットが大きいからである。
 C.D.I.点火の場合には通常の点火方式よりも高い電圧を短い時間充填する為、デスビ方式で起る高回転時の接点時間の短さによるコイル立ち上がりの悪さをカバーする事が出来るのだ。

 さて、車では点火系統の強化にC.D.I.を使ってもメリットがあまりなさそうに書いてしまったが、どのくらいの効果があるのだろうか?実際レベルでは明らかに点火能力の不足する車にC.D.I.を付けると、体感できるくらいに変化するはずである。
 うまく取り付けることができれば冒頭で述べたように2ストのSJ10、SJ30ユーザには嬉しい耐寒性、始動性、耐かぶり性、燃費の向上が望めるはずだ。

 現存する他のフルトラ、セミトラ、ポイント式とC.D.I.点火装置との違いは、IGコイルでの高圧を発生する原理の違いにある。他の点火装置では、通常は12Vを加えて、その逆起電力で高圧を発生するシステムにダイレクトに高圧をかけてしまう。
 原理的には12V電圧でIGコイルの1次側に電流を瞬時に流すと、フレミングの法則により磁気が発生、点火タイミングとなった時に、通電電流がなくなるとためていた磁気が減少するのでフレミングの法則で電気が発生しIGコイルの1次側に電流が流れ、2次側には高圧の電流が発生するというものである。

 一方、C.D.I.点火装置では、点火用エネルギーをIGコイルに磁気としてためるのではなく、まずC.D.I.内のコンデンサに数百ボルトの高圧の電荷をためて、点火タイミング時にスイッチング素子によってコンデンサにためられていた電荷を放出、IGコイルの1次側に電流が流れることで2次側にはさらに高圧の電流が発生するというものである。

 だから、2次電圧の立ち上がりは急なので2次電圧そのものもノーマルとは比較にならないほどアップする。欠点は、放電時間が短いことで、ノーマルの半分以下である。高回転時では長い放電時間は不要なので特に問題にはならないのであるが、アイドル時など低回転では逆に火が付きにくいことになる。とくに高圧縮・高回転型のエンジンは圧縮比に比例して点火しにくくなる。レーシングプラグにナローギャップが多いのもその為。
 点火装置の能力が高ければワイドギャップの方が火が付きやすいが、高回転ではドエル時間が不足してしまうのだ。

 しかし、プラグの早期漏電の原因であるカーボンの影響は受けにくくなる(プラグがよごれにくい)。他の点火方式に比べてエネルギー変換効率が良いためにバッテリーの電圧降下が少なく、点火必要電圧以上の電圧設定ができるため、始動性に優れるのである。
 つまり寒冷地等で問題となる電圧降下の影響を受けにくいわけだ。
 また、2ストでよくある「エンジンがかぶる」ということに強くなる。
 かぶりに強いのは、高圧発生の原理が違うためで、他の点火装置で電圧上昇中に火花放電可能な電圧に満たないうちに漏電してしまうのに対して、C.D.I.点火装置では最初から火花の放電電圧の安定した上昇が得られることによる。つまり寒冷地や、使用回転域にかかわらず、安定した着火火花を飛ばせるので燃焼効率が向上するのである。

 

 C.D.I.取り付け実験

 たまたま中古のワコー製のC.D.I.を見つけたので早速購入、LJ50エンジンに対するC.D.I.の効果はどうかを試してみることにした。
 分かりきったことだが、結論から言うとエンジンの特性はやはりエンジンで決めるものであって、点火で決める物ではない(笑)。

 でもエンジンに手を入れられない場合には 点火系の改善も有効なことは事実である。


 早速取り付けてみた。電源ON時の「キーン」という音がC.D.I.の存在を知らせている。

 エンジン始動。お、ちゃんと動くではないか!不思議。(あたりまえか!?)

 空吹かしすると今までより回転上昇が早いような感じだ。ドラマチックな加速を求めて早速試乗。低回転は・・・・?よくわからない。若干トルクが 太ったような気もする。C.D.I.点火の良さは高回転で発揮されるものなので、まあ良しとしよう。

 さらに踏んでいくと4000RPM付近からもストレスなく吹け上がる。
「んー!これは・・結構すごいんじゃない?!」そのまま全開にすると6500RPMを軽く超して回る。(まだまだいけそうだがエンジン壊れそう) おーさすがC.D.I.点火装置。高回転時の伸びとアクセルのレスポンスは非常に良い感じである。今までには無かった 感覚。

 でも正直いうとパワーが劇的に変わったという感じではない・・。(本当はもっと期待感バリバリだったのに(汗))。しかし始動性 と吹け上がりの向上はすばらしい。今までかぶったりしてかからなかったこともたまにあったのであるが、C.D.I.を取り付けてからは皆無になったのだ。

 しばらくしてさらに私はつぎの作戦をたてた。

 このC.D.I.はワコーの製品でGT-1000FXと書いてあるが、大きく重くとても立派な姿をしている。

 なんたってちゃんと配線図がケースに書いてある(ページトップの写真)ので配線に悩むことがない(^^ゞ。

 これが入手したワコーのC.D.I.。

 こちらはGT-1000FXの説明書(右クリックでファイルに保存をクリック )

    前のページへ

 次のページへ

   トップに戻る

 前の(見ていた)ページに戻る

inserted by FC2 system