SUZUKI ジムニー SJ10 日記(17)

 
フリーハブ付きフロントディスクブレーキ化!!


 SJ10はドラムブレーキですが、WEBや雑誌等でたまに
ディスクブレーキに換えているのを見かけることがあります。実際、ディスクとドラムは好みが完全に分かれるようですね。ドラムは軽量なんですが水には弱いし、坂のバックで効きが悪く(ツーリーディングのため)、メンテナンス性は悪いです。

 通常ドラムをそのままディスクにしてしまうとサーボがないので効きが悪くなるのではないかと思っていましたが、テンではディスクにしてもサーボは不要のようです。BBS等で聞いたところ、「ディスクブレーキ化したら
制動停止距離も確実に短くなるし、安心してフルブレーキング出来ますよ」なんて言われたので挑戦することにしました。ちなみに私は車のナックル部分などばらしたこともなく、ブレーキシューの交換くらいしかしたことのない素人です(無謀!?)。
 

 さて、これが入手したJA11のステアリングナックル及びブレーキASSY(ハブ、ローター、キャリパーなど)とJA11のドライブシャフトのジョイント外側及びSJ30のステアリングのタイロッドエンドです。ステアリングナックルを換えると、太さが違うため以前のタイロッドエンドは使えなくなるため、SJ30のものが必要となるとのこと。ヤフオクで出品されていたので購入しましたが、以下、そのときの簡単な商品説明の文章のみでこの作業を行って ますので、実際プロに聞いたわけでもありません。手順や組み付け方など本当に正しいかどうかさえわからないので念のため。
 
 ブレーキ部分とジョイント及びタイロッド以外にキングピンとかステアリングナックルの裏側のオイルシールカバー等も写っていますが、SJ10のものを再使用したので不要で した。

 

 2005/04/22 "まるまる"さまからJA11のシャフトのバラし方についてご教示いただきました。
  
 シャフトの切断方法についてご説明致します。

1、 まず、シャフトのベアリング部の根元でサンダ−で丁寧に切断します。
   (なるべく短く切らないとあとで苦労します)

2、 次に中を見るとベアリングの玉が見えます。
   その玉を1ヶずつ切断部を回しながら取り出します。(全部取る)

3、 シャフトの切断面が奥になる様に回転させます。

4、 グルグル回すと、1ヶ所抜ける場所があるので、抜きます。(コツがいります)

5、 そうすると星型?のベアリングの内輪の中に切断したシャフトの先端が刺さったモノが出てきます。

6、 それを抜き、逆の順序で組み付けておしまいです。

あまりコジって無理矢理やると、5、の時に星型の内輪が割れてしまい、オシャカになってしまいます。

あと、たま〜にですが、これもSJ10のシャフトを分解する時に随分固いのがあって、無理矢理やると、先端に付いているピンがバラバラになってしまいます。まあ、これについては適当なスプリングを切っても充分代用できますが。

注:1、のところでなるべく短く切断とありますが、理由は長めに切断すると
2、・3、の回転させる時に引っ掛かってしまい回せなくなるからです。

 "まるまる"さま、情報ありがとうございましたm(__)m。

 他にもディスク化した人のお話を聞きますと、サンダーで切らなくてもスプラインの当たる位置に傷をつけないようにジョイント部分をハンマーで叩けば、当て方にちょっとコツが要るもののうまく外れるようです。そうやって抜けば使うことは無いと思われますがシャフトの再利用が可能ですね。

 

 
 他に用意したものはJA22のブレーキホース(右側を2本)キングピンのシムを厚みの違うものを数枚、ハブの星形のガスケット、スズキスーパーグリースH(ステアリングナックル用、これ以外のグリスを使用すると耐久性が落ちるらしいです)、ベアリンググリス、ブレーキフルードです。あとウエスを大量。洗浄用の灯油、ガスケットシール剤、割ピン2本。12ミリEリング2個。

 工具で特殊なものはディスクグラインダー(タイロッド切断用)、丸ヤスリ(ブレーキホース穴拡大用)、大きめのハンマー、36ミリのメガネレンチ、スナップリングプライヤー、ブレーキフルード交換の際に使うシリコンチューブくらいですね。
 何が大変かって、割ピンを外してからこの36ミリナットを緩めるために1時間もかかってしまいました(泣)。
 近くの解体屋に行ってソケットを借りようとしたらないと言われて、これとパイプを借りてきたのだが、とにかく外れません!
 あらかじめ整備工場に行って緩めておけばよかったと後悔です。
 タイロッドエンドの割ピンを外してからキャッスルナットを緩めてハンマーで叩くとタイロッドが外れます。 専用工具があるようですが、使わなくても全然OKでした。
 ステアリングナックルの裏側のオイルシールカバーを止めているナットを外すと、フェルトのパッドが挟まっているので、これを破れないようにとらないといけません。(ゴムのオイルシールもあることだし、この際全部まとめて新品に交換しておけばよかったです(^^;)  ブレーキホースを外すところです。向こう側のジョイントが固くてビクともしません。スパナでやっていたらここでジョイントの10ミリナットを完全になめてしまい、バイスプライヤーをホームセンターに買いに行くはめになりました(泣)。
 
 キングピンを止めているナットを外してキングピンを上下とも外します。ステアリングナックルが重いブレーキドラムごと外れたので、そのまま引いたら下側のベアリングが地面に落下してしまい砂だらけです(泣)。このへんがやはり素人ですね(泣)。  ステアリングナックルを引いていくとこのようにドライブシャフトまで抜けてくるようになってます。
 この後反対側のシャフトジョイントの外側をたたくとドライブシャフトがドラムASSYから抜けます。(本来叩くと再使用不可かな?(汗))
 
 キングピンベアリングを灯油で洗浄。川に入ったり泥水遊びをやって、メンテナンスしていないとかなりの確率でこれがやられるそうです。なんと、一昨年前ディーラーでOHして、街乗りしかしていないのに、片側の上1個が固着しており、焼き付いていました(-_-;)。  アクスルハウジング内のグリスに劣化はなく、ちょっと勿体ないけど全部取り去ることにします。長時間の水遊びをするとこの中も水浸しになりそう。(デフオイルも乳化してしまうらしいです)
 
 さて、外したドライブシャフトとジョイントは試行錯誤の末、こんな風にまっすぐにベアリング部分をハンマーで叩くと割と簡単に外れることがわかりました。
 もう使わないのでかまわずガンガン叩いてしまいましたが、これでもとのジョイントは再使用は無理かもしれません(汗)。
 外したSJ10のジョイント(上)と、今度使用するJA11のジョイント(下)を比べてみました。これに差し込まれるドライブシャフト側の先端にはCリングがついたままになってい ます。
 
 ジョイントにはたっぷりとナックル用グリスを塗ります。ドライブシャフトのシールと当たる部分と、ドライブシャフト自体にも薄く塗っておきます。そしてドライブシャフトをアクスルハウジングに挿入。  さらにアクスルハウジング内にナックル用グリスを詰め込みます。マニュアルによると150グラムのグリスを詰めることになっています。ステアリングナックル内を含めて大方容積の30%くらい入っていればいいらしいです。
 
 ジョイントを差し込んだところ。ドライブシャフトの先端にはCリングがついたままですが、まっすぐに差し込んで軽くハンマーで叩いてやるだけで割と簡単にはまり込みます。(でも、最初にジョイントをはめておいてからドライブシャフトをアクスルハウジング内に差し込んだほうがやりやすいと思いますが(汗)。)  反対側となるステアリングナックルの内側にもグリスをたっぷり塗ります。スピンドルの内側にある金色のワイヤーのつべ部分もグリスがしみ込む造りになっていますので、どんどんぬりぬりします。(この写真は塗る前)
 
 洗浄したキングピンベアリングのローラー部にたっぷりとグリスを塗り込んでからアクスルハウジングの上下に元のように納めてディスクブレーキASSYを差し込 みます。ここが今回一番の難所。下のベアリングが落ちないように支えながら入れるのですが、スプラインがうまくかみ合わず苦労しました。  ディスクブレーキASSYがうまくはまったのでキングピンを差し込んでボルトで仮止めしてみます。シムを初めは0.5ミリを2枚入れてみましたがナックルのガタがあったので少しずつ厚さを減らしていきました。シムを入れなくてもガタがある場合はキングピンの交換が必要です。
 
 キングピンシムとキングピンを止めているボルト、及びステアリングナックルの裏側のオイルシールカバーなどはマニュアルによると全て防水のために接着剤を塗ることになっています。私はガスケットシールを使用しました。(茶色の部分)  ちょっと比べてみたところ。右はSJ30のタイロッドエンドで、左がSJ10のタイロッドエンド。差し込みのシャフト径がちがうだけですが、タイロッドがそのままだと凄いトーアウトになってしまいそうので、多少短く加工しなければなりません。
 
 これは安易に片側を20ミリくらい切っているところです。後で中のピッチが両端で違うと気づき、大失敗。タイロッドは面倒でも両端を1センチくらいずつカットしなければならなかったのですね。結局SJ10のものを再使用することにしました。  短く切断したタイロッドエンドを付けたところ。結果を言うとこれでもトーアウトだったので、翌日サイドスリップ計測時にまた全部バラして、ロッド(オスネジ)のほうも5ミリずつカットすることになってしまいました(;。;)。
 
 SJ10のブレーキホースが取り付けられていた穴はそのままだとJA22のブレーキホースが入らないので、丸ヤスリで少し拡げる必要があります。この後ブレーキホースを通し、先程外したブレーキホースのジョイント部をねじ込み、12ミリEクリップでホースを固定します。  ディスクパッドをはめ込み、ブレーキキャリパーを2本のボルトで止めるとこんな感じです。やっぱしディスクブレーキはメンテナンスが楽でいいよね〜♪。
 
 
 ハブからシャフトが充分に出ていなかったので、このように8ミリのメガネボルト(普通のボルトでもOKだと思うけど)を入れて引っ張り、スナップリングプライヤーを使ってスナップリングをはめ込みます。ハブの内側にはグリスをまんべんなく塗っておきます。  最後にフリーハブのキャップを付けます。ハンドルの位置はフリーのまま。両輪が完成したのであとはブレーキのエア抜きをしてすべての行程が終了です。さすがにここはひとりではできないので、小学生の娘にブレーキを踏ませて対応しました。
 ついに完成♪。私は本当にこんなことは全く初めての素人であって、途中で工具(バイスプライヤーとか)を買いに2回もホームセンターに行ったりしましたし、写真も撮りながら作業したためトータル1日半(実作業約12時間)もかかる作業とな りました。

 苦労したのは初めのアクスルナットを外すのに1時間半、ディスクグラインダーで切断したタイロッドエンドが切断面が斜めになってしまい、この直角を出すのに1時間かかりました。ブレーキホースとの継ぎ目の10ミリナットが固くて取れずにこれも40分ほど頑張ったのですが完全になめてしまい、バイスプライヤーを使ってやっと緩んだものの、換えもなく、仕方がないので再使用することに・・。タイロッドを緩めるのにも300ミリのモンキースパナ2本しかなく、ここでも外すのに50分。 
 作業時間が無駄になるほとんどは専用工具もなく、やったこともない作業を素人がやっているためで、プロの作業がいかに効率的かがわかりますね(^^ゞ。
 

 ちなみに、一番時間がかかって超大変だったのがナックルをアクスルハウジングに納めるときであって、キングピンとキングピンベアリング、ナックルのガタとシムの調整、シール剤の塗布、組立までの時間。ここが片側のみで1時間半くらいかかっています。ベアリングを支える人がいればもっとスムーズにいくはず。

 さらにこの日は今年一番の酷暑で、日中の最高気温は36.5度。路面からの照り返しでさらに高温が予想される屋外での熱中症寸前の作業でした(泣)。
 


←サイドスリップ計測中

 完成後、トーインの調整が必要ですが、かまわずちょっとその辺を走行してみました。おお!感動!もう元には戻れないっす♪。

 多少フロントが重くなってしまいましたが、フリーハブにもなったし、焼き付いて破壊寸前のキングピンベアリングも発見できました。翌日、近くの車検工場でサイドスリップを見てもらいましたが、ロッドがまだ長すぎて調整範囲を超えたため再度自宅に帰ってバラし、ロッドを切断後、やっと調整完了です(調整料1000円)

 でも何より全ての行程を素人である自分が全く人に頼らず作業を行って、ここまで出来たんだということ、そして難しそうだからと敬遠していた大好きなジムニーの足回りのメカニズムが少しでも理解出来たことが最高に嬉しかったです(涙)。

 さて、さらに続いて本来なら構造変更をしなければならないだろうなと、とりあえずはいつものようにWEBで資料集めからかな・・・とか思っていたのですが、継続車検は そのままでOKでした。純正パーツ使用であることと、強度も強くなっているわけで車検も問題ないようです。
 

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