前からSJ30のエンジンからのフルトラデスビ移植による完全フルトラ化計画をたてていたが、 技術のない私がエンジンを降ろして作業をするなんて、普段足に使っている車では無理。断念した。ところがネットサーフィン(←今この言葉はどこに行ったんだろう(^_^;))をしてたら、 Pertronix「IGNITOR」(SOLID-STATE ELECTRONIC IGNITION)というものを見つけた。このイグニッションシステムはホール素子タイプのフルトラで、センサーとピックアップ部分のみでいわゆる「フルトラアンプ」を必要とせずに、完全フルトラ化ができるというものである。
よく「フルトラとC.D.I.はどちらがよい(パワーがある)のか」みたいな質問メールを頂くのだが、これは考え方としては全くナンセンスである。フルトラは機能的にはポイントと本来全く同じものなのだ。 ポイントとフルトラの違いを小学校の理科の実験で例えて言えば、電池1個と豆電球の回路があったとして、 リード線の被覆をむいて電池に直接接触させているか、スイッチを使って点灯させるかくらいの違いであり、電球が点灯する結果に違いはない。あるとすれば早く 確実に点滅させようと思うとやはりスイッチのほうがいいよなあということになる。C.D.I.は別に用意した電池といったところか。「フルトラとC.D.I.はどちらがよいのか」という質問をこの回路で言うと、スイッチを付けるのと電池を2個に増やすのとではどっちが明るいか(または使い勝手がいいのか)?と聞いているようなもの だ。ちなみに高出力コイルをつけるのは電球のワット数を上げるということになるかな。 このように単純にフルトラにしてパワーUPするものでは決してないし、私がフルトラ化をしようと思ったのも、C.D.I.を調子よくドライブさせるためにポイントの欠点であるサージングとヒール摩耗及びギャップ・ドエル角調整を避けるためという理由からである。 本来純正フルトラ化を考えていた私はこのイグニッションシステムを見つけたとき写真を見て眼が釘付けになった。「ひょっとして6気筒のやつは うまくいけばLJ50に付くのではないか?」日本で入手できないかWEBで探したところ、S.I.氏と巡り会う事が出来た。
本来ポルシェ6気筒(911E,911T,911S)のものなのだが、デスビローター径や高さ、ポイント位置などからLJ50デスビにはこれがベターであろう。
さて、最終的にはやはりC.D.I.とC.D.I.専用コイルをドライブさせてテスト。もともとポイントでも調子がよかったエンジンなので、フルトラ化して特にCDIでの調子がどうなったとは思われなかったが、 高回転はすんなり滑らかに回るようだ。 走行感覚で言うと、今までやっとこさ最高速度95キロだったのが、ふつうに95キロでるようになったこと(それ以上は出ないけどね(^^ゞ)。 さて、一応今回取り外したポイント については念のために車に積んでおくことにした。 簡単に組み込みが出来て、かつ簡単に元に戻すことができるというのもいいよね。
WARNING!:今回使用した Pertronix IGNITOR 1867 はあくまでもポルシェ911用であって、この改造は取付による危険や故障などのリスクを承知で私が加工したものであり、当然Pertronixの保証外である。 最後になりましたが、このフルトラ化をするにあたって多大なご協力を頂いたS.I.氏に感謝します。
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