SUZUKI ジムニー SJ10 日記(4)
 
 セミトランジスタ計画(いわゆるセミトラ)

 さて、次は点火系の変更をしてみた。SJ10、SJ30も点火方式はポイント式である。ポイント は本来一番優れた(後述のC.D.I.のページを参照)点火システムなのだが、この接点は定期的にメンテナンスが必要で、1000キロ走行に1回くらいサンドペーパーで均してやったりしているが結構面倒くさい。

 また、物理的にローターを回転させ、ポイントギャップを開閉して火花を生成している訳なので厳密に言うと火花は一定ではないのである。
 永井電子にセミトラユニットがあるのを知って、この方式に変更 してみることにした。本当はフルトランジスタ方式でかつ進角を自動調整してくれるようなものがいいのだが、構造的にも取り付けが面倒なのと、高価なのでとりあえずメンテナンスフリーだけを目指した。
 
 取り付けは至って簡単。説明書をみながら15分もあれば出来る。
 普通セミトラといえばローターにセンサーがあって、回転をトランジスタユニットに伝えるのが普通だと思っていたのだが(ハーレー では俗に言うフルトラのことをそう呼ぶのだ)、この商品名ウルトラというやつは点火時期をポイントで拾っているためポイントを残さなければならない。 

セミトラの配線図1 セミトラの配線図2

 
これはSJ30のフルトラ(マグネット式)センサー(写真提供:ヨシズ渡辺様)

SJ10ポイント

 ECCSなんかは光学式のデスビで、円盤が軸と一緒に回転し、その円盤に設けられたスリットをダイオートの光が突き抜けてホトダイオートが感知する信号をタイミングとして検出している方式で、現在のクランク角センサーなどにも採用されているもので、かなり正確なタイミングがとれるし高回転でもズレが少ないのだ。

 永井電子とかが出しているフルトラシステムもこの方式。一度付けようかとも思ったが、センサー部(回転遮光板含む)の価格が¥23000(さらに専用フルトラアンプが必要)と聞いて諦めた(^_^;)。

 

 
 

これが商品名ウルトラというモジュール
 

Impression

 取り付け後はこのとおり。オレンジ色なのでエンジンルームが華やかになった。いや、そんなことはどうでもいい。
 早速エンジンをかけてみる。コネクタを抜いてみてエンジンが停止することを確認。しばらく乗ってみた。うーん、なんとなく回転がなめらかになったような気がする。あくまでも気がする程度だけどね。

 エンジンのかかりは確かに良くなっている。火花が安定すれば多少回転も上がっているのかもしれないが体感できるほどのものではない。
 進角は変わっていないし。だいたい、取り付ける前のポイントがいつ交換されたのかわからないので多少の効果はあるだろう。
 本当はフルトラのほうが明らかにメンテナンスフリーとなるがめちゃ高い し、効果が値段にあわない。(この後C.D.I.を付けて素晴らしい効果を得たので後述してます)

 ところで、IGコイルからの火花をプラグに伝えるためにディストロビューターというものがある。SJ10,SJ30のものはこの写真のようにデスビキャップがついているのだが、この3つの端子はローターからは離れているものの、長年使うと端子が溶けて減ってしまう。
 よほどひどくない限り問題はないのだが、 エアコン取り用のSJ30についていたデスビキャップが新しかったのでSJ10と交換してみた。

 そこでおもしろいことに気がついた。減ったデスビキャップをつけたSJ30が、エンジンの調子は全く変わらないのであるがAMラジオの雑音がひどくなったのである。
 考えてみるとギャップが広がることによってマルコーニの電磁波の実験ではないが、電磁波がより多く出るわけで、ラジオに点火系の雑音が入って気になる人はここもチェックしてみてもいいのではないだろうか。・・ってノイズコンデンサーを入れた方がいいかもね
 


↑これがデスビキャップ。新しいので減っていない。
 ところで、ここで気がついたのだがジムニーのデスビっていうのは中に遠心進角装置であるフライウェイトがないため進角がないのだ。なぜ??(普通は遠心進角装置がついていそうなものだ)。このLJ50についているバキューム進角というのはエンジンが掛かっている際、バキュームホースを引っこ抜いてもあんまり変わりない。(インマニの圧力が大気圧か負圧かをバキュームホースで引っ張り、走行中でスロットルの開閉がデスビに伝達され補正するものだから)

 でも遠心進角がないとアイドリングから高回転までずっと同じ点火時期になってしまう。
通常エンジンが高回転になるにつれ点火時期を進める必要がある(早く着火しなくてはならないため)のはご存知だと思うが、それはなぜかというと、プラグに電圧が掛かって火花を飛ばすまでの時間は常に一定なので回転数が上がるにつれ早く着火してあげないと最良の点火タイミング(一番、効果的に爆発の力が得られるポイント)にならないからなのだ・・ということはLJ50の固定進角はだけだけのところに合わせてあるのでそれ以外のところってどうなんだろう。

通常は初爆を得易くするため遅角させた方がエンジンは掛かりやすいし、高回転になるにつれて点火時期を早めればパワーと燃費の向上につながる。まあ考えてみると、この頃のジムニーのエンジンにはそこまで要求がなかったのだろう。

 



 エアコンの取り付けのところで書いたが、これが40サイズのバッテリーである。サポートも純正のままで収まる。

 SJ10のバッテリーは最小限のものなので、電装系を強化しているひとは大きいものに交換したほうがいいと思う。

 オルタネータとレギュレータのチェックも忘れずに。

 
ラジオのアンテナ

 ジープには長いアンテナがよく似合う。それもリアアンテナでなければいけない。

 いろいろ取り付け場所には悩んだが、ここがベストだと思う。リアゲートに干渉せず、高さがかせげて格好悪くない場所はここしかない。

 無線の店で昔のステンレスバンパー用基台を購入してきた。今時バンパー用基台がつく車なんてほとんど走っていないので4千円のところを2千円にまけてもらう。そして適当な大きさに切断し、近くの溶接屋でスペアタイヤブラケットのトップに溶接してもらった。
 ステンレスと鉄はアルゴン溶接でないと 完璧にはつかないが、そんなに荷重がかからないのであれば普通の溶接でも全く問題なし。
 ヤフオクでスプリング基台と2メーターもある長いハム用モービルアンテナを購入。

 そのまま結線しても波長が合わないのだが、アンテナのアース側と心線を わざとショートさせ、電気的に車体と離すことでAM/FMラジオ用のアンテナとして使っている。
 そうそう、私のSJ10はAM/FMラジオがついているのである。 前オーナーによるとFMトランスミッタでMDを聞くためとのこと。ちょっと高級車?



↑こちらは巻末に登場の友人のジムニーSJ10。プレートを直接溶接してある。こっちがすっきりしていてカッコイイかも。

 
 
 

これが商品名ボディーガードというモジュール
 

 

電子防錆装置(ボディーガード)の取り付け後。下記の電極とバッテリーは122センチ以上離さないといけない。配線はヒーターのパイプが通っているところに這わせた。
 

電子防錆装置の取り付け

 SJ10はSJ30のように防錆鋼板を使っていないのでとにかくよく錆びる。気になる錆とどう戦うか?

まずは錆の発生の原理 から・・
 
  皆さんご承知の通り、地球上の物質すべて原子から出来ており、原子はプラスの電気を持つ原子核とマイナスの電気を持つ電子から出来ていて、お互いに数が等しいため引っ張り合って安定している。これは物理で習ったと思う。

 しかし金属の中には自由に動く自由電子というものがあり、この自由電子が原子から離れると、そこにサビの元である酸化物質が結びつきやすくなってサビが発生する原因となる。
 特に酸素と水などの電解質が鉄に付着すると鉄の電子が電解質に奪われ、鉄がイオン化して溶けだしてサビになるのだ。

 結論を言うとサビや腐食は鉄から電解質へ向けて電流が流れる事が原因なので、逆方向に外部から電流を流せば腐食反応は起こらないということになるわけである。
 不思議なように思うが、 あの赤錆は物理的にいうと単に電気が流れるせいなのなのである。
 そこで自由電子が逃げたところに、すぐに電子を補充するという考えがなされたわけだ。
 そうすることによって金属の原子は安定し、酸化物質と結びつきにくくなりサビが抑えられるというわけ。

 この原理を可能したのが、この電子防錆装置なのだ。 これは1987年にアメリカのCLIシステムズ(株)で開発された電気科学理論に基づく全く新しい概念のシステムで、金属に微弱電流を流し電子を補充 することにより金属のサビや腐食を抑えるという画期的な商品で世界中で効果が実証されている。

 中でも「ラストアレスター」という商品は有名で日本でもJR、道路公団 、自衛隊、消防署、バス会社、運送会社など大手各社に採用され、又トヨタ、三菱、マツダ、いすゞ、日野、日産ディーゼルの自動車メーカーの純正部品にも指定されているくらいである。

助手席の下にアースされた電極 


 電子防錆装置のタイプには「ラストアレスター」のようにアノード電極を使った犠牲陽極法(この陽極を錆びさせることによって他の錆を防ぐもの である。

 特に常に水の中にある船体などには効果てきめん)とカーボンシル電極を使った蓄電結合法があり原理が異なる。
 犠牲陽極法は名の通り犠牲にした電極をわざと錆びさせる方法であるが、当然 錆びてしまうので交換しなければならなくなる。

 ただ、電極に白金(プラチナ)を使用しているものはその必要がないので調子良いのだが高価である。
 数年前まではアノード電極をボディーの塗装を剥がし て貼り付けるタイプのものが主流であったが、これは周囲の湿気が多いほど、またアノード電極を沢山つけたほうが効果が高いなど、環境や電極の貼付法で効果に差が発生しやす いものであった。

 最近数社から販売されているものは、空気をカップリングとして、車のボディーにパルス化したDC回路を作り、ボディー鋼板の腐食作用を消滅させるという装置であ り、前途のものより安価である。
 

 
 大学の物理の先生に聞いたりして、電子防錆装置の研究を重ねた私が取りつけたのは 、結局「ボディーガード」という製品である。

 これはアノード電極を使用せず,直接ボディーに防錆パルスを流す仕組みの物。18,800円という値段も気に入った。
 先に書いたようにサビが発生する原因 というのはあくまでも電気が流れることによって起こる現象なので、サビの発生は電気をそれとは逆に流すことによってほぼ防ぐことが出来るのだ。

 「ボディーガード」はボディーアースをとるような配線を3本ほど接続するタイプで、「ラストアレスター」のように周囲の湿気によって効果が左右されることもない。SJ10はよく錆び て腐ってそのうち土にかえってしまうだろう。この電子防錆装置によって永く生き残ることを祈るのみである。

 さて、肝心の効果であるが、数ヶ月たったところでまた報告したいと思う♥。

(この件についても後述してます)

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