SUZUKI ジムニー SJ10 日記(12)

 
C.D.I. New Impression (by Friend)

  実験のためとはいえあまりにたくさんの市販のC.D.I.をため込んでしまったので(笑)、ヤフオクに小出ししていたのだが、ちょっと興味を示した前出の友人にひとつPresentすることにした。これは以前にW氏からお借りして実験したFET ERG Type1のC.D.I.で、私的にLJ50にはベストチョイスのひとつ!と確信し ていたので、自分の予備用にとヤフオクで購入しておいたのだ。

 ちなみに友人のSJ10はノーマルエンジンの4型であるが、以下友人談である。

 「これは凄いねー。今までと全然違う。今まで加速時に感じたトルク感の薄さが解消した。全回転域でトルクが上がっていて、トルクカーブがフラットになった感じ。低回転から全開にしたときの息つきが完全になくなった。でも最高速は変わらないように思う。あと一番驚いたのは、排ガスが前と全然違って臭くないこと。不思議??煙も少なくなったように思う。今まで排ガスが車内に入ってきて気分が超悪くなっていたのだけれど、それが気にならなくなった。いいねー、C.D.I.!

 おおーそうですか。実は私は自作から始まって市販物もコイルと相まって試行錯誤を繰り返し、途中でエンジンOHしたりしているので、はっきりいって、ノーマルと比べてどうか?なんて単純に比較できなかったのだ。でも友人は全くのノーマルと単純比較しているので、かなり客観的な正しい意見だと思う(もらいものなので過剰な期待 はしていないしね(^_^;))。

 でもインプレはほぼ予想どおりで、最高速が変わらないのは、ギヤ比は変わっていないことと、C.D.I.がいくら高回転まで回るとは言っても6000rpmを上回る時点でトルクはエンジン特性から低下しているので(LJ50の最高トルクの発生回転は4500rpm)、そんなものだろうと思う。
 排気が変わったのはとてもおもしろい結果で、C.D.I.取付による燃焼効率アップが如実に現れている。
 私の場合もプラグを見て感心していたのだが、プラグがほとんど汚れないのだ。カーボンの付着が極端に減少している。 今まではどうしても黒くオイルやカーボンが付着するのは2ストエンジンではあたりまえと思っていたのであるが、数百キロ走行した後も”こんがりキツネ色”なのである。
 気になる燃費については多少(0.7Km/Literくらい)良くなっている。結構調子にのって回しているのでそのせいもあるかもしれない。

 (実は嫁さんのJA12+C.D.I.ではリッターあたり1.4キロ延びたのだ。これはすごい値である。年間JA12で約1万キロを走る我が家では、これによって年間 約 27,000円の経費節約になるわけだ。パワー上昇と値段を考えても、やはり買いではないだろうか。SJ10でも期待したが、リッターあたり0.7キロというのはまあまあの値かな。)

 

 PresentしたFET ERG Type1のC.D.I.。
 
 以前のインプレでも述べたが、ノーマルコイルでも十分に能力を発揮。彼もC.D.I.のよさに触れて、CDI信者になったようだ(笑)。

 

結論:2ストにはやっぱりおすすめC.D.I.!

 
C.D.I.は急激に放電するため、優れた火花特性を持ち、電極の汚れに強いので2ストに向いていると言われている。2ストエンジンでは混合気の充填効率を上げるために、排気の反射波を積極的に利用するが、失火が起こると反射波が乱れるため、確実に点火することが望まれる。そういったことからも2ストにはベストといえる。

 

ワコーのストリート用C.D.I. を入手!

  ワコーから発売されていたGT-1000FXには"T"という型があった。滅多に見かけないがこれはストリート用(一般用)ということで発売されていたものである。ボディが赤色で塗られているのが特徴で、前に紹介した黒色のものはもともとはレース用として販売されていたのだ。Koeiにも赤のC.D.I.があったが、ワコーとは逆でレース用として販売されていたものが赤色である。
 ・・と、あーまた見つけてしまったのだ!赤のワコーC.D.I.を・・。こりゃ試してみないとC.D.I.キラーの名が廃る(うそ)と思い、つけて試してみた。

 うー、SJ10では黒のC.D.I.と違いがあまりわからない。おそらく中低速よりに振ってあると思うのだが、いまいちわからなかった(汗)。LJ50エンジンではどっちでもいいということか。 でも、私基本的にワコーファンなので、自分のスペアでとっておくことにする(^^ゞ。

 

 吹け上がり、トルク共問題なく、GT-1000FXはおすすめの一品 。

 電磁ポンプの取り付け

 SJ10のノーマルの燃料ポンプは機械式の物が取り付けられている。この機械式ポンプは、エンジンからの負圧で動かすおまけのような構造でエンジンに取り付けられている。
 今まで燃料系のトラブルは発生しておらず、特にC.D.I.を取り付けてからは寒い時期であっても一発でエンジンがかかり非常に快適 なのだが、さすがに数日間乗らないでいるとC.D.I.であってもガソリンがきていないので(笑)、多少はエンジンのかかりは悪く、クランキング時間は長くなっていた。これは燃料の圧力が下がってしまい、エンジンのクランキングを行わないと燃料ポンプが働かないために圧がかからないのが原因と思われる。ヤフオクでたまたまLJ50エンジンのものが出品されていたので購入し、取り付けてみることにした。
 

 この電磁ポンプならエンジンをかける前のイグニッションONで、自動的に電磁ポンプが働き燃圧が上がるので始動性の向上が狙える。ミツバなどの電子部品メーカーから汎用品も出ているのであるが、あまり燃圧が高いとかえってよくない(高すぎるとカブったりする)ので専用品を探していたのだ。
 

 右の写真はノーマルの燃料ポンプ。古いので多少はへたっていることだろう。

 

 

 これがLJ50用電磁ポンプを取り付けたところ。

 取付のブラケットは専用品が無かったので、ホームセンターで現物合わせで購入してきた。電気配線はSJ10の場合、もとの機械式ポンプのすぐ上に電磁ポンプ用のギボシ端子(♀)があるのでそこに接続する(赤の○印)。配線のもう一方は適当なところにアースすればよい。

 機械式ポンプに繋がっていたエンジンからの負圧を取るゴムホースが不要となるので、8ミリのボルトに水道テープを巻いてねじ込んでおくことにした(青の○印)。 根元からの切断も考えたが、また機械式ポンプを付ける際のために(?)長いまま残してある。
  
 キーをひねるとココココ・・・とポンプの振幅音がする。
キャブにガソリンが充填され、音が消えたらエンジンスタート!
これで始動性もOK。 ヒルクライムなんかで今まで負圧が負けてエンジンがストールしていたところもこれで行けそうだ。(・・多分行かないけど)

 

 

追加:中古でこの電動ポンプを入手すると、三菱製のものでは3本線のものがあります(キャリーなど)。
 この配線は1本はアース、1本はイグニッションスイッチオンで12ボルトがかかるところ(専用端子がなければイグニッションコイルのレジスタのコイルと反対側の端子)に接続します。
 もう1本はエンジンがかかっているかどうかを判断するもので、点火信号端子に取り付けます。通常はイグニションコイルのマイナス側(CDIではイグナイタからの線(フルトラの場合)か、デスビからの線(ポイントの場合))に継ぐことになります。

 錆サビ・・・


  せっかく付けた防錆装置ではあったが、やはりそこは旧車のSJ10、容赦なく錆は進行する・・(泣)。例に漏れずフェンダーミラー取付部分から錆がボコボコと浮いてきた。ここはミラーを支えるために鉄板が2重になっているのだが、その隙間には水が絶えず侵入するにもかかわらず 、合わせ面には塗装されていないために必ず錆びてくるのだ。
  とりあえず建築用コーキングを塗っていたがもうだめ
    


 ちょっとつつくと下は錆びて表面の鉄板は完全に大きな穴があいてしまった。
 仕方がないので、完全に朽ちる前に修復することにした。錆を手作業で落とすことはかなり困難なので今回使った秘密兵器がこれ。スポットサンドブラスターである。コンプレッサーに継いでシューと一吹きすると、直径2センチほどの部分のみサンドブラストをかけることが出来るというもの。

  

これが一式(6800円)                砂は結構高価。ガラス製もある。

 こんな感じで少しずつ移動しながら砂をあてていくと、簡単に錆をその部分だけ完全に落とすことが出来るのだ。

(本文とは全く関係ないけど、後ろに見えるのはウインチのリレー)

  
 2重になった隙間部分はどうしようもないので、 ホルツのサビチェンジャーを塗布する。錆が化学変化で黒錆になり安定するのでそれ以上錆の進行がないというスグレモノ。 

 次にパテ埋めしてからサフェサーを塗り、1回塗装後水研ぎした。

 
 ところで、私の車は色は純正色なのだが、当然カーショップのスプレーにはあるはずもない。ところが、どんな色でもラッカースプレーに充填してくれるというショップがあって、調合してもらった。どうせならと3本注文。送料込みで12000円ほど。即日発送してくれる。

 私のジムニーの色はデザートベージュ。色番号 11J、マンセル記号 2.5Y 6.0/3.9)充填時余った塗料ももらえるのでタッチペイントにもなる。
  で、ラッカースプレーで上塗り塗装・・。  
 1週間ほどしてからサンドペーパーがけ,、水研ぎして完成。 いやープロ並み(笑)。
 

C.D.I.専用点火コイル! 


  C.D.I.をつけてから目茶調子イイエンジンとパワーになって嬉しい限り。しばらくは改ショップ御用達(OEM供給流用)の閉磁型のコイルで満足していたのだが、ああっ・・また見つけてしまったのだ。C.D.I.専用コイルなるものを・・。  

 写真の箱の説明を読むといかにもよさそうなことが書いてある(^_^;)。うぅ。確かに1次側に12ボルトしか流さない普通のコイルと、MAX700ボルトにもなるC.D.I.ではインダクタンスとか設計は違ってくる 。
 C.D.I.はコンデンサを数百Vに充電しておき、接点を閉じるとコンデンサに溜まっていたエネルギーがIGコイル側に放出されるというものである。コンデンサに蓄えられるエネルギーはC*V2/2で、容量と電圧の2乗に比例する。この場合、IGコイル自身は昇圧の目的だけがあれば良いことになる。
 励磁に使われるエネルギーは小さい方がいいので磁気飽和を避けるためにも1次インダクタンスをある程度以上大きくする必要があるが、放電が始まり、コンデンサのエネルギーを急激に放出するためには、コイルの インピーダンスは小さい方が良いことになる。閉磁型は開磁型よりも少ない巻数で大きいインダクタンスを得ることができるので、C.D.I.用には適しているといえる。

 開磁型もC.D.I.に使われるIGコイルの1次側抵抗は1Ω以下が多いようだ。逆にトランジスタ式の場合は、IGコイルの1次巻線に溜めたエネルギーを放電に使う方法で、接点を閉じると自己誘導作用で高電圧が発生、相互誘導作用により2次側には巻数比に応じた電圧が発生するというものである。この場合、コイルに蓄えられるエネルギーはL*i2/2なので、インダクタンスや電流が大きい方が放電のエネルギーも大きくなる。しかし、インダクタンスを大きくする為には巻き数を増やさなければならない為、一般的には大型になってしまう。また、大きければ良いというわけではなく、あまり大きいと高回転時に1次電流が十分に立ち上がらなくなる。開磁式のコイルを他車に流用することがあまりないのはこのせいなのだ。トランジスタ用IGコイルの1次側抵抗は数Ωのようだ。

 うーん、よし、こりゃ買うしかないぜ!とまたもや購入している私であった(笑)。つけてみて早速走行!よくわからないが、まーでも考えてみるとそれまで付けていた閉磁型のコイルっていうのも結構C.D.I.と相性が合っていて、随分健闘していたんだよなあ。

で、どのくらいのインピーダンスがあるのか、GESCOのC.D.I.専用コイルもWEB読者からお借りして、ちょっとテスターで計ってみた。(インピーダンス>抵抗なので、完全に正しくはないけど、参考です)

GESCO CDI専用コイル 1.4オーム 永井電子CDI専用コイル 3.5オーム


 



 おおー、またまたエンジンルームが派手になった。どうも私は「専用」という言葉に弱いらしい・・。オレンジ色が格好イイ 。
 あれ?永井電子のコイルはC.D.I.専用といいならがらも3.5オームもあるのだ(ちなみにノーマルコイルは1.6オーム)。C.D.I.ではコイルのインピーダンスは小さい方が絶対的に良いはず。でも聞いたところによると、これはCDIのインパルススパークに、ノーマルなインダクティヴ点火を同時に合わせるというもので、つまり、C.D.I.のチャージ時間中、同じようにコイルの一次側にも電流を流し続け、ポイントが開いた瞬間に、コイルは自己誘導→二次側という動作と、C.D.I.のインパルススパーク→二次側という、ノーマルなコイル点火とC.D.I.点火を同時に行うという変則的技を行っているらしい。そうすると通常のC.D.I.点火と違って一次側電流は流れっぱなしになる為、3Ωクラスのインピーダンス値が必要になってくるわけだ。納得。
 先にも書いたとおり通常C.D.I.専用コイルは1オーム以下が普通で、0.1オームなんてのもある。これだけのインピーダンスがあれば、たとえC.D.I.が故障しても説明書にもあるように、どうりでインダクティヴ点火でも十分使えるわけだ(^^ゞ。

MDI考


 MDIとかMSDについてよく質問されることが多くなった。

 実際に9000rpmを越えるようなエンジンではC.D.I.が理想なのだが、純正でC.D.I.を使わないのは高価なことと、低回転域で火花の持続時間が少なくなってしまい充分な着火ができず点火時期の制御が難しいからなのだ。
 MDIやツインスパークなどは複数放電方式と言われるもので、つまり一回の点火で複数回のスパークを発生させている。基本はC.D.I.ながら低回転域は何度も点火スパークをコイルに送ることで結果的に火花の持続期間をのばしている。MDIは2500回転以下では1回の点火にスパークを3回、2500以上6500回転以下では1回の点火にスパークを2回させるそうだ。永井電子のMDIはカタログを見る限りでは従来タイプのC.D.I.より放電温度がほぼ2倍になっている。

 従来タイプのC.D.I.は貯めた電気を一気に放出してプラグをスパークさせているのだが、低回転時は混合気の圧縮が弱い為にC.D.I.の点火時間では点火しにくくなりがちであり、それを解決するのがこのようなマルチ点火方式と言える。アイドリングの安定度はアップするだろう。

 MSD社(アメリカ製)のイグニッションシステムは昔から複数放電(IGコイルとコンデンサの共振を放電電位に利用し複数の放電を行なえる様に工夫されたC.D.I.)だったが、最近になって永井電子のC.D.I.もMDIという新しいタイプになり、MSDと同じような複数放電タイプになっている(以前は火花を強くするだけで、回転数に関わらず1回のみの普通の点火であった)。開発理由は最近の高性能車は希薄燃焼のエンジンが多く、高回転時に合わせてセッティングすると低回転時に不安定になる事が多くなるためにその対策として低回転時には複数放電にしたとの事である。実際には両者とも同じ考えであるが、MSDは安いのが魅力であるもののサイズも大きく、永井電子のC.D.I.に比べてノイズが多いとの噂もあった(←多分問題なし!)

 私も一時MDIの複数放電に関心を持った時期もあり、MDI装着を考えたこともある。C.D.I.自作で参考にしたWEBの管理者様も位相制御により複数の放電を可能にしたC.D.I.の回路を考えて特許を出願した程だそうである。しかし、トータルの放電時間が長いものにはかなわなかったというのが結論であった。MSDなども元はといえば、放電時間の短さを補足する為の手段であり、十分な放電時間を確保すれば必要が無いとのことである。
 先にも述べたが、MDIの恩恵を与ろうとするならば最近の希薄燃焼のエンジンを使った高性能車が主に対象ということになり、旧車ではMDIの能力はオーバースペックといえるかもしれない。何よりも点火装置ごときに値段が高すぎ・・・。
 

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