SUZUKI ジムニー SJ10 日記(11)

 
 次は極東FETのC.D.I.で実験


 世の中珍しい人もいるものである(失礼!!)。早速そのW氏に送って頂いたのは極東(FET ERG Type1)のC.D.I.である。このタイプはポイント専用で、発売当時は専用開磁路コイルと組になって販売されているものであるが、W氏が所持していたモノはC.D.I.本体のみであった。 このFET ERGはあの「武蔵」の阪神エレクトリック(株)が当時極東にOEMで供給(昭和50年の後半に打切り)していたものである。

 W氏はもともとペーパークラフトからこのページにたどり着いたとのことで 自らがSJ10-3を所持されており、点火系になにかできないかな・・・と思っていたところに、C.D.I.を研究しているこのページをみつけ、大変感銘を受けていただいたそうな(^_^;)。感化されて、C.D.I.をつけたいと思っていたものの時間もなかなか取れないのでよかったら実験してくださいというありがたいお言葉である。

 配線を製作し、点火時期を調整しながら走行。今度はセミトラ出力、ポイント出力に分けてそれぞれをノーマルコイルと閉磁型コイルでも試してみた。いずれもきちんと動作し こいつは中低速も申し分ない。回転上昇もかなりいいレベル。高回転も6000を軽々と超えてもたつくこともなく、LJ50に 搭載してノーマルコイルでも全く問題なくC.D.I.の性能を発揮してくれた。(このあと友人もつけてインプレしてます)

 



本当、感謝です。このFET C.D.I.はW氏が安く入手されたようで、いい買い物でしたね。 

ちなみに閉磁路コイルは説明書を見る限り適合しないようである。

 お次はジェスコのC.D.I.で実験


 相互リンクを頂いている旧ジムニーの部屋ガラス屋さまがジェスコのC.D.I.を入手してSJ20改(F10Aエンジン)に搭載したところ、凄く良かった♥と聞いてC.D.I.研究家の私としてはいてもたってもいられなくなり(笑)、ヤフオクでジェスコのGTRという機種(加速重視タイプ)を入手した。

 さて、実験結果はさすが加速重視設計というだけあって回転上昇も僅かながらも他C.D.I.に勝っているかなと言う感じである。実際は他と比べてもシフトチェンジの場所が ちょっと手前かなというだけで、エンジン特性はフルに使えているのか最高速度的には変わないようだ。


  でもこのジェスコのC.D.I.は4サイクルのF10AエンジンのみならずLJ50エンジンでも性能をいかんなく発揮してくれた。中低速も 十分トルクフル。 また、こいつはノーマルコイルでもかなり良いフィーリングである。

 C.D.I.は各社の設計(コンデンサ容量が主)によって点火電流の持続時間を可変して各エンジン回転域における特性を変えているが、出されている機種はそう多くはない。
 でもジェスコのものは説明書を見る限り多種の回転域に合わせて何種類も設計して販売されているのがわかる。ガラス屋さま、情報ありがとうございました。


 



 氏にお借りした分厚い説明書を見たところ、このジェスコのC.D.I.にはフルトラアンプ も内蔵されていることが判明。配線が多いのも納得。

これがジェスコのC.D.I.-GTR
 
 

 それで次はTRUSTのC.D.I.で実験


 次は滅多に見かけることのないTRUSTのC.D.I.を入手して試してみた。このC.D.I.は筐体の大きさが他のC.D.I.に比してちょっと小型である。 ノーマルコイルのままでは最高回転域こそジェスコのC.D.I.ほどは延びなかったが(2ストは2倍の回転数が必要なのでこうだが、4ストなら全く関係のない回転域 )、試しにC.D.I.コイルをつけたらこりゃまたGOOD。エンジン回転、トルク感とも申し分なし。

 また、これはポイント接点、セミトラ接点においても使用でき、汎用性の高いものだ。 あまり使っている人がいないのはなぜなのだろう?TRUSTはC.D.I.専用メーカとは違うので中味はおそらくどこかの電子メーカーのOEMのはず。TRUST自体が他のチューンナップパーツのうほうがはるかに有名なのでC.D.I.はそう積極的に発売されていたものではないのだろう。
 発信音は静かで、キーンというあのうるさい音ではない。

 後日こいつを嫁さんのJA12につけてみた(このC.D.I.が一番小型で、取付場所に困らないため)。インプレはそちらのページにおまかせするとして、4ストエンジンではパワー 云々よりも燃費の向上が素晴らしいことがわかった。





 

 なんか、TRUSTって聞くだけで速くなった気がするのは私だけだろうか?(^_^;)。 スポーツタイプの車のチューンでは定番だよね! C.D.I.の作り的には純正っぽいデザインで、洗練されていると思うのだが(あんまし関係ないけど)。

 

 次はWAKOの最新C.D.I.で実験

 WAKOから新しいC.D.I.が出ているのは知っていたが新品は高価だし、なかなか入手できず 、性能はどうなのかなーと思っていたある日、ツインタイプのC.D.I.(CD-1200TW)を見つけた。ツインタイプはもともと同時点火専用の2コイル対応のC.D.I.である 。LJ50は1コイルで配線が違うのだが、回路を見たところ、片側配線のみでも問題なさそうであった。でも念のため一応ワコーに問い合わせてみたところ、「コイルが1個の場合はおっしゃるとおり片側のみ配線すればよいですよ 」と、これまた丁寧な回答を頂くことが出来た。そこで、片側配線で作製して実車に搭載実験してみることにした。

←おー新品みたい♪ C.D.Iだぞーって存在感がある(^_^;)

 うーん。 旧式のWAKO GT-1000FXとフィーリング的にはあまり変わらないように感じるが、吹け上がり・始動性共に文句なしである。さらに今までの中で一番カッコイイC.D.I.だと思う(笑)。 大きいけど造りは絶品だし、目立ち度 は☆☆☆。ポイントでも動くようになったのは汎用性が高くなった証拠。でも発振音がかなり大きい。車内につけたりしたらこのキーンといった音で頭が痛くなりそうだ。



 それにしてもWAKOというメーカーのユーザーに対する姿勢は特筆すべきものと思う。他社とは大違い。サポートの親切なところは類を見ないのではないだろうか。

 販売代理店がBBSを立ち上げており、非常に役に立つことが多い。私もかなり過去ログを参照して参考にさせてもらった。

 このCD-1200というC.D.I.は12ボルトを直接コイルの+に印可しており、今まで実験したC.D.I.とは少し回路が違うようだ。メーカーによるとノーマルの出力と合成しているとのこと。ウルトラとかTWINPOWERに似通ったというべきかな。


 ちなみに同社から出ているパワーエキスパンダーのPE−3をかませるとコイルの一次抵抗値が低い物は過大電流が流れるらしく必ずレジスタが必要となり、PE-2SSではPE-3とは方式がまったく異なるためレジスタは必要ないらしい。

 

 憧れのC.D.I. 「武蔵」♪

 前にWEB読者の方からFETのC.D.I.を借りたことがあったが、このWEBを見たS氏という方から、なんと、私の憧れのC.D.I.である 阪神エレクトリック(株)の「武蔵」(HIG-01)を「貸してあげましょうか?」というなんともありがたいメールを頂いたのだ(感激!・・ しかし、なんでも言ってみるもんだよなあ(^_^;))。

 送ってもらって見たところ、配線、カプラまでFETのC.D.I.と全く同じである。電源をオンにしてみると他のC.D.I.と違って発振音がほとんどしない。C.D.I.は高圧を得るためにトランスで昇圧しており、その励磁のために通常「キーン」と発振音がするのだが、 あまりに静かなので初め壊れているのかと思ったほどだ。

 前に実験したFET ERGが基本配線・構造は「武蔵」と同じであるとはいえ、大きく発振音がしていた。「武蔵」はERGとは性格を変えて製造されているのだろう。ちなみに今まで一番大きな音がしたのはワコーのものであり、あれはうるさすぎて車内 への設置には どうも向いていない(あの音が好きな人は別として)と思った。逆に静かだったのは武蔵ほどではないがTRUSTが一番であった(車内搭載向き?)。

 走行インプレであるが、吹け上がりは素晴らしいのだが、高回転での追従がちょっと・・?。(あくまでもLJ50の2ストエンジンの場合で・・といっても常用回転では何の問題もないが)6000回転で頭打ちになってしまう。これはうまくトリガがかからないというより、火花が弱くなるようだ。トリガの問題ではなさそうなので、C.D.I.専用のコイルをつけることで良い結果がでるかもしれない。もともと武蔵は HYBRID SUPER IGNITION という売り込みで専用コイルがセットになっていたのだ。試してみたいが今となっては専用コイル(レジスタ付き)が入手できないし ・・。

 2003/05/02
☆なんと、この武蔵のHYBRID SUPER IGNITION を専用コイル共フルセットで入手することが出来たのだ! \(^O^)/。インプレは後述。☆

 長い間憧れていたパーツであることと、私的期待度歴代C.D.I.中No.1だった 割には 歯切れの悪いインプレになってしまったが、とても嬉しく、 昔の恋人に会えたようですっきりした(変態的マニア♪)。本当にS氏には感謝感謝で頭があがらないm(__)m。

 

 S氏は自らローレルSGXを所有されているそうで、他にもGESCOのC.D.I.(私と同じGTR)もお持ちとのこと。私も免許取り立ての頃はL20のケンメリを2台乗り継いだので懐かしい限りである。

 「武蔵」は車輌点火システムにより、3機種が存在していたらしい。
 「HIG-01」・・・ポイント及び一般フルトラ式
 「HIG-02」・・・日産、三菱、マツダロータリー車のうち純正(三菱製)フルトラを搭載している車種(特殊品)
 「HIG-03」・・・電子制御式フルトラ
というラインナップである。

 これが憧れ♥の武蔵のC.D.I.。
 
 長年の念願がかなって感無量である(>_<)。 この「武蔵」は製造打切り後20数余年たっていることと、当時の阪神エレクトリック(株)本社(神戸市灘区)が阪神大震災(95年)で全壊し、サービスパーツ及び取説 が残っていない状況とのことである。 もうお宝の分類かも。

 総合的に判断するとやはりC.D.I.は火花の高出力化が一番の目的なので、うまくマッチングしたイグニッションコイルとの併用で差ががでてくるものと思われる。ただLJ50というエンジンがエンジンだけに、C.D.I.の動作原理の違いによる 大きな差がわかるほどのパワー特性は 体感的には出ないのかもしれない・・。

とりあえず、私が分析(独断と偏見)したコイルと接点の相性。(LJ50の場合。あくまでも相性であって性能ではない。) 
※未実験は入手した説明書等から分析  

 
Maker Coil (閉磁型) Coil (通常) ContactPoint FullTransistor 騒音度(笑)。☆が多いものほど静か。
Gesco GTR ※付属のアンプ使用 ☆☆☆
F.E.T.ERG TYPE1 ECU不可 ☆☆
Koei(閉磁型)
Koei(開磁型) ×
ULTRA9000 × ☆☆
ULTRA9100 × ※付属のアンプ使用 ☆☆
ULTRA9150 × ※付属のアンプ使用 ☆☆
ULTRA9200 × × ☆☆
ULTRA9250 × ECU可 ☆☆
ULTRA9300 × × (純正フルトラ) ☆☆
ULTRA9350 × × ECU可 ☆☆☆☆
TRD SP052 × ☆☆☆
TRD SP251 × ☆☆☆
TwinPower ☆☆☆
TRUST ECU可 ☆☆☆☆
WAKOGT-1000FX ※一部 不可 ☆☆☆
武 蔵 HG-01 ECU不可 ☆☆☆☆
MSD 6A ECU不可 ☆☆☆
WAKOCD-1200

 上記C.D.I.を4サイクルの欧州車に取り付けた詳細なレポートをNさんからいただきました。 比較もすばらしく、大変参考になります。→こちら

上記の配線などについては前ページを参考にしてください。

 
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