SUZUKI ジムニー SJ10 日記(10)

 
 純正のIGコイルを閉磁式コイルに交換


 私は思った。これはIGコイルの性能が大容量C.D.I.についてこれないのでは?・・そういえば市販のパッケージのC.D.I.は普通コイルも一緒になって10万円くらいで売られていたっけ。となるとコイルの高出力化も必須事項で はないか?。普通点火系チューンの定番といえば、まずプラグ&プラグコードの交換をファーストステップにしてIGコイル交換→C.D.I.装着と行くのが筋であるが、今回はになってしまった(^^ゞ。

 IGコイルは閉磁形タイプのものを取り付けることにした。 この形の閉磁式コイルは流用でよく使われる物なので 案外入手も簡単であるが、ジムニー改造部品で有名な某社(数社あり)から出ているIGコイルと同型である。 ただ、モノによってインピーダンスが違うので、用途により何でもいいわけではない。念のため。

 閉磁形コイルというのは昔は外車なんかでよく使用されていて、最近ではJA12やJA22もそうである。磁束は空中より鉄心の中を通りやすいことを利用して磁束の通路を鉄心により閉回路に構成し、コイルの中を通過する磁束量を大きくして2次コイルの発生電圧を高めているものである。

 1次側から2次側への変換効率をみると開磁形コイル(通常よくみかける円筒形のコイルでジムニーのノーマル(JA11まで)はこれ)と比較して25%増といわれている。また、インピーダンスが低くなるため、C.D.I.に向いていると言える。(あくまでもC.D.I.であって、ノーマル点火につけるのは×)

 通常閉磁形のコイルには設計上閉磁形専用のC.D.I.も販売されている。閉磁形用C.D.I.は開磁形コイルにも取付可能であるが、開磁形専用C.D.I.は閉磁形コイルには取付できない(実際には動作するものの、高回転が回らなくなる)。 ちなみにワコーのこのC.D.I.は閉磁形のコイルでも使用可能のようだ(後で実は仕様外と判明(汗))。

 さて、早速試乗。今度はトルクUPがはっきりと体感できる!C.D.I.とC.D.I.に適したローインピーダンスの点火コイルで火花が強くなった分、力が出ているようだ。高回転でもエンジンがばらつかない。ストレスなく吹け上がり、上々のレスポンス&パワー感である。なんといっても回転上昇が滑らか。

 この話をMLで紹介したところ、ある方からご忠告をいただいた。C.D.I.をLJ50エンジンに付けると性能表以上の高回転まで回るため高速性能ががらリと代わってしまい、回し過ぎるとエンジンが耐えられずに逝ってしまうとのこと。既に友人が経験済みらしい・・。いや、実は私も乗りながら「・・・これはやばいな・・」とうすうす思っていたところなのだ。あまりに簡単に回りすぎる!。強い自制心がないと・・。まじで レブリミッターが必要かも(笑)。


 ・・というわけで市販の中古のC.D.I.取付でワタクシ的にとても満足できる結果を得る事が出来たが、現在なかなかこのC.D.I.を入手することは難しい。C.D.I.の その生い立ちと動作原理が気に入ってしまった私はいろいろWEBを見ているうちに自作C.D.I..の記事を見つけ、製作して研究してみることにした

 こちらにその記事を載せたので 興味のある方はぜひ見てほしい。現在C.D.I.の製作実験中
 

 C.D.Iにすると普通はセミトラはいらなくなるんだよね。 この場合、ポイントは残っているため、心配されるとすれば高回転でのサージング、ポイントギャップの変化による点火時期の狂い、ポイント接点の劣化の3つである。(セミトラも同じ)

 コンタクト・ポイントでは、ブレーカー・アームのバネ鋼の張力がサージングに影響する。このバネがヘタったりすると振動しやすくなり、高回転でサージングを起こすと、あらぬところで火花が飛んでしまう。これに対応する高い張力の「ヘビーデューティ・コンタクト・セット」もある。

 しかしSJの場合、サージングを起こして折角のC.D.I.の高回転の追従性が損なわれるほどの高回転は必要ないであろう。また、C.D.I.を付けることによって接点にはほとんど電流が流れないのでほぼメンテナンスフリーとなっており、接点の劣化は1年に1度くらい(5分程度で十分)ポイントに戻してやるか、接点を軽くサンドペーパーでこすってやるだけで復活するし、ギャップの変化はヒール部のグリスアップをきちんとしてやれば数万キロは大丈夫なはず。

 実際私は点火系にはシリコンコード交換はもちろんアーシングも行っている。有効な点火系チューンというのはプラグを含めてトータルで設計する必要があると思う。
 
 でも新品でこれをやろうとするとかなりのお金がかかり、その金額に見合った体感効果は得られないのが普通だ。中古等で安く揃えられない場合はおすすめしない。
 だって、SJ10でシグナルグランプリとか高速走行を中心に考えている人っていないと思うから(笑)。
 

 

   
 次はKoeiのC.D.I.で実験



 さてさて、すっかりC.D.I.の電気的特性のおもしろさにはまってしまった私はワコーのC.D.I.だけでは満足できず、他社のC.D.I.も試してみたくなった。どうもジムニーの改造というより自分の研究のためにC.D.I.を入手し、テストしては満悦するという単なるC.D.I.マニアになってしまっている(笑)。

 次に入手したのはkoeiの開磁型コイル(普通のコイル)用のものである。ワコーはよくヤフオクで見かけるが、koeiはなかなか出てこないようだ。koeiのC.D.I.は1980年代に 富士マスターズ250キロレースとかで使われ、当時走り屋の間で有名になったパーツである(他にも武蔵とかがあった(懐かしい (o^^o))。

 当時は高価で凄いパーツだったのだが、発売したkoeiも実は車の電気部品屋さんではなく、このC.D.I.だけで車の電気部品はやめてしまったようだ。もともとは電子ライターとかの部品を作っていて、その技術を使って余力で作ったものらしい。で、今は何をしているかというと、ジッポー(ライターです)とか、キャンプで使うストーブ ・ランタンなどを販売している。

 ところで、C.D.I.を入手したのはいいが、配線が1本多い。どうも先に実験したワコーのものとは多少動作原理が違うようだ。壊す前に取説みたいなものはないかkoeiにメールで問い合わせてみたところ、大変丁寧な対応をしていただいた。感謝。メーカーによると当C.D.I.は製造/販売から年月を経た商品なので取り説も含め現在は在庫が無いとのこと。

 結局、社に残存している取扱説明書のコピーを郵送してもらうことになった。なんでも当時C.D.I .の設計に加わった人達はまだ何人か社に在籍しているとのことで あり、是非お話を聞いてみたいものだと思う。

 私はこの件でちょっとしたkoeiのファンになってしまった (o^^o)。今は入手不可能というのも何かそそるよね(単なるヲタク)。

 ↓箱によると20%の燃費改善と5馬力のパワーUPが見込めるらしい (o^^o)。

 

(ほかにも他社の配線がわかったので中古で入手し取付に困っている人は→表を参考にしていただきたい)

もしちがっていたらごめんなさいm(__)m。指摘してください。

肝心の配線が判明。koeiのC.D.I.4本線の場合
C.D.I. → IGオンで12Vの通電端子
C.D.I. →コイル-
C.D.I. /白線→コイル+
C.D.I. →ポイント信号
(配線図はこちら)←右クリックでファイルに保存を選択

さらに極東(FET ERG Type1)の5本線の場合
C.D.I. → IGオンで12Vの通電端子
C.D.I. →ポイント信号
C.D.I. /白→FET ERGコイルレジスタR(中央)端子
C.D.I. →コイル+
C.D.I. →コイル-
(配線図はこちら)←右クリックでファイルに保存を選択

GESCOのC.D.I.4本線の場合
C.D.I. → IGオンで12Vの通電端子
C.D.I. →ポイント信号
C.D.I. 白→コイル+
C.D.I. 黒→コイル- 及びアース
(配線図はこちら)←右クリックでファイルに保存を選択
(詳細配線図)←右クリックでファイルに保存を選択


ちなみにこれはWAKOの4本線の場合
C.D.I. → IGオンで12Vの通電端子
C.D.I. →コイル-
C.D.I. →ポイント信号
C.D.I. (黒)茶→コイル+
(配線図はこちら)←右クリックでファイルに保存を選択

ULTRAのC.D.I.5本線の場合(9100,9200)
C.D.I. → IGオンで12Vの通電端子
C.D.I. → コイル+ にレジスタを通じて繋がっていた線
C.D.I. →ポイント信号
C.D.I. →コイル+
C.D.I. →コイル-(アース共通)
C.D.I. 黒→アース
(配線図9200)←右クリックでファイルに保存を選択
(配線図9100)←右クリックでファイルに保存を選択

ULTRAのC.D.I.5本線の場合(9350)
C.D.I. → IGオンで12Vの通電端子
C.D.I. /白→ 外付抵抗器の入力側
C.D.I. →CDIの出力線(コイル+)
C.D.I. →信号入力線(コイル-)
C.D.I. 黒→アース

ULTRAのC.D.I.5本線の場合(9250)
 
知人(SJ30)の9250インプレを見る
C.D.I. → IGオンで12Vの通電端子
C.D.I. → 外付抵抗器の入力側
C.D.I. →タコメーター
C.D.I. →CDIの出力線(コイル+)
C.D.I. →(信号入力線(トリガー))
C.D.I. 黒→コイル-(本体の黒はアース)

(配線図9250)←右クリックでファイルに保存を選択
(配線図9***総合)←右クリックでファイルに保存を選択

武蔵
のC.D.I.5本線の場合
C.D.I. → IGオンで12Vの通電端子
C.D.I. →ポイント信号
C.D.I. →コイル+
C.D.I. →コイル-
C.D.I. 黒→アース
(配線図はこちら)←右クリックでファイルに保存を選択

TRUSTのC.D.I.5本線の場合
C.D.I. → IGオンで12Vの通電端子
C.D.I. →ポイント信号
C.D.I. 白→コイル+
C.D.I. 黒→コイル-
C.D.I. 黒→アース(本体線)
 
 さて、koeiの開磁型用C.D.I.の検証結果である。 ノーマルと比較すると違うが、ワコーのC.D.I.に比べるとノーマルコイルでは低中速でのトルクがやや細く、高回転向きのC.D.I.のようだ。 コイルをもっとインピーダンスの低い物に換えると良い結果が出るだろう。手持ちのものだと前記の閉磁コイルを使いたいが、開磁型のkoeiでは閉磁コイルが使えない(高回転が回らなくなる)のだ。

 koeiのファンになってしまった私としては、どうせならワコーで良い結果を得た流用閉磁型コイルを是非使用してみたいと考えていたところ、数ヶ月して幸運にもkoeiの 閉磁型用C.D.I.を入手することができた。

 乗ってみると、さすが閉磁型コイルとのマッチングは抜群、全体的にトルクが上昇している感じだ♪。

 やはりC.D.I.は火花の高出力化が一番の目的なので、うまくマッチングしたイグニッションコイルとの併用で差ががでてくるものと思われる。閉磁型C.D.I.以外では開磁型のCDI専用コイルもいいだろうね。

 というわけで、どなたか武蔵とか極東F.E.TのC.D.I.をお持ちでしたらテストのため貸して下さい・・・(笑)。

 ・・なんて書いていたら、なんとこのWEBを見たW氏から申し出があり、 お持ちのC.D.I.を貸して頂けることとなったのだ♪。


 
 なお、C.D.I.を取り付けた際には点火時期の調整が必要である。
 

koeiの開磁型C.D.I.


閉磁型コイル用のC.D.I.(これは生産後期なのでゴールドラベル)と実験のためエンジンルーム内に林立するコイル群(^_^;)。

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