k-ai( ケーアイ;軽キャンピングカー)で行こう!  (18)

 

k-ai  軽キャンピングカーでお湯のシャワーをいつも浴びたい!
 

【★問題点★】 軽キャンパーにはマルチルームのスペースがない・・

 

普通の「フルボディ」(カムロードやハイエース)のキャンピングカーと「軽」のキャンピングカーとで何が明らかに違うかというと車体の「長さ」ですが、その部分に置けるのがトイレやシャワーのスペースとなる「マルチルーム」です。どうしてもそれだけは軽キャンピングカーの中に常設できません。

ただ、トイレ利用についてはラップポンを使うことで、臭いも含めて自分的にはほぼ解決していました。
あとはシャワーだけです。
まあ、今は道の駅に温泉やシャワーがあることもあり、高速サービスエリアやガソリンスタンドにも併設されていることもあるのですけど、例えばそこがお休みだったり、そういう施設が無い場所も当然あるわけですね。

そんな時、「どーしてもお湯でシャワーを浴びたい!」ときのための方法を考えてみます。

まず、色々と調べてみますと、シャワーはうまく使うならば18リットルもあれば女性でも十分に足りるようです。
ふむふむ。だとすれば1人なら現在k-aiに搭載している水タンクの量でOKなわけですね。

 
(いちおう、車載タンク以上に水が必要そうな(緊急時・災害時)ときのために、こんな折りたたみ式の10Lタンクをさらに4つ車載はしているのです。)

ハック 10L ウォータータンク 【2個入】 ブルー

それでは、次にお湯を作るにはどうしたらいいかを考えます。

k-aiにはカートリッジガスを使う小型ガスコンロを載せているので、まずはこれで10℃の水から42℃のお湯を18リットル作ることをシミュレーションしてみます。
 

1.【小型ガスコンロでお風呂のお湯を作る】

元が10℃の18リットル水タンクに沸騰したお湯をどのくらい混ぜれば42℃のお湯になるのかというと、
42-10=32、100-42=58から 32/(32+58)で、「必要な風呂水の32/90の熱湯(33.5%)が必要」となりますから、約6リットルの沸騰した湯を沸かす必要があります。元が20℃の水でも約4.5リットル必要ですね。

うーん、一気に6リットル小型ガスコンロで沸かすなんて、そんな大型のヤカンもないし、ずっと見ていないとちょっとしたことでも車内では火災の危険もあるし、ガスも大量に使いそうだし時間かかるだけで無理(汗)・・。

いや、ガス缶を使うならば実はもっと簡単に湯沸かしシャワーができる製品は一応存在はしているのです(kampaとか)。

Hike Crew ポータブルプロパン給湯器・シャワーポンプ コンパクトアウトドアクリーニング・シャワーシステム 液晶ディスプレイと自動安全停止機能付き瞬間給湯 キャンプやハイキングに キャリーケース付き ※ガスラインは別で供給する必要あり。

でも、これも小型ガスコンロを使う方法と結局原理的には何も変わりませんから、直に10℃とかの水を一気に42℃まで沸かしてお湯を供給できる能力がありません。結局は安定したお湯の供給にはポンプなどを用意して、外部タンク内との間で水を循環させるなどするしか 温度を上げる方法がなく、高価なわりには使い勝手の悪い残念な買い物になる可能性大です。

では次はタンクに投げ込みヒーターとも呼ばれる電熱ヒーターを直接入れてお湯を作ってみましょう。
 

2.【電熱ヒーターを使ってお風呂のお湯を作る】

 
電熱ヒーターは、水を入れた容器を用意して入れるだけで手軽にお湯を沸かせるという製品です。
 ニッソー プロテクトヒーター R-300W

では、ガスコンロを使ったときと同じように目的水温と水温上昇時間を計算してみます。軽キャンでは電熱ヒーターの消費電力はせいぜい500Wくらいまででしょう。
18リットルの水を300Wの投げ込みヒーターで10℃から42度にまで温める場合の計算式は
(18×(42-10)÷286)×1.3=2.6時間 (※1000Wの場合は286→860となる)

300Wの消費電力だと3時間近くかかることになります。ほんと水を温めるには膨大なエネルギーが必要なのですね。お風呂の湯沸かしに使用する給湯器・風呂釜などは30,000W近い熱出力なので、短時間で大量のお湯を沸かせますけど、投げ込みヒーターではその1/30以下の熱出力しかありません。

でもこの方法、サーファーの方達には一般的?なのか、これを実際に使っている方もいらっしゃいました。

自作温水シャワー!こんな簡単な方法で実現!ヒートエクスチェンジャーやKampaポータブル温水器は不要!DIY車中泊ハイエースで日帰り(温泉)入浴施設が付近に無い時に活躍。女性も安心透けないテントを利用 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ww8_m2qszl4

うん、実際のレポートなので大変参考になりますね。ここではDC-ACインバーターで昇圧してAC100Vの電熱ヒータ ー270Wの電力を供給していますが、20リットル42℃のお湯を沸かすのに2〜3時間はかかると結論付けています。今回はその所要時間のみならず、消費電力も問題なのでやはり無理(汗)・・。

さて、この方も検討されたようですが、サーファーの方達の間では次の「ヒートエクスチェンジャー」を使う方法が最もスマートなようです。
 

3.【ヒートエクスチェンジャーを使ってお風呂のお湯を作る!】

 
ヒートエクスチェンジャーというのはいわゆる熱交換器なのですが、それでお湯を沸かす方法で、通常は捨てている車のエンジンの排熱を利用するものです。
現在通販等で一般的に流通しているのはこの商品1種類しかなく 、(しかもアメリカ製)、本体だけでも約6万円程度します(汗)。また、この機器単体では、「42℃とかの一定温度にする」という機能がありません。え?シャワー側ポンプの流量とかで温度調整するの?(夏冬でうまくできるのか?)
車両側の加工や周辺部品も含めるとさらに結構なお値段になってしまいますね。

また、これはエンジンが大きいハイエース級ならば熱変換の能力が高いためにお湯を十分に沸かしながら使える?ようですけど、軽四のエンジンだとどうなんだろう・・。

まず、車中泊としての使い方を考えれば、すぐに大量のお湯を沸かさなくても例えば当日の停泊場所に行くまでにお湯が沸いていれば全く問題ないわけですよね。
たとえ少々効率が悪くても熱交換しながら小型ポンプとかで水を循環させるならば電気はほぼ使いませんし、セッティングしだいではお湯を使う前の準備も不要となりそうなので、そんな安価で設置できるシステムを考えてみました。

上記のヒートエクスチェンジャーの専用製品以外で安価な熱交換方法はないかと、「チラー」と呼ばれる小型の熱交換器(これの本来の用途はビールを造るとき冷却するもの)が使えるのではないかとWEB検索していたら、ココを見つけました。阪口製作所さんという金属旋削加工をしている会社で、ヒートチェンジャーという名目で独自製作販売されています。
http://www.j-sakaguchi.jp/seihin.html

問合せてみますと、現在は小型(サイズ50Φ×220mm)のウインドウオッシャータイプという機種のみ在庫しているとのこと。私の想定した使い方であればそれでも十分と思えましたので早速購入することにしました。

私の想定した使用法はこうです。
スズキキャリイ(DA16T)のフロント部分の12.7Φヒーターホースの途中にこの小型のヒートエクスチェンジャーを割り込ませ、熱交換した水を6Φシリコンウオーターホースを介して車載水タンク内との間で静音小型ポンプで循環させます。タンク内が42℃以上になったら自動停止させるようなサーモスタットを使えば、走行中に勝手にお湯が沸きますからすぐにでも使えるわけですね!。アイドリングとかでも沸くはずなので、それについても次いで実験していくことにします。

システムのために小型ポンプやホース、クランプなどの必要な部品も購入します(以下で全部)。

水中ポンプ 小型 ダイアフラム ポンプ DC 12V 流量1.5-2L/min 軽量 110g ミニ 電動ポンプ ティーマシン 水冷 水槽 ARCELI Digitales LED-Temperaturreglermodul, XH-W3001 Thermostatschalter mit wasserdichter(12V)
12Vの静音小型ウオーターポンプ(12V,0.7Aで流量が2L/min程度、許容水温は最大80℃)で水循環させます。 温度コントローラーとしてサーモスタットのセンサをタンクに入れ、温度42℃設定でウオーターポンプを制御します。
 
他に購入したのは取り付け用のホースやクリップ、継手などです。ヒートエクスチェンジャーからタンクまでの6Φシリコンホースの片道は3mくらい。 真鍮隔壁管継手、真鍮管コネクタ継手、ホース水空気燃料用カプラーコネクタアダプター用バーブ継手フィッティング(6mm)
uxcell  ホースクランプ 11mmホースチューブスプリングクリップクランプ スチールバンドクランプ 銀マンガン鋼 10個入り LEDAUT(レダホト)シリコンホース(6mmX3m 青) 耐熱 汎用 自動車ブルー バキュームホース
uxcell ホースクランプ アメリカ式 201ステンレス鋼 21mm-38mmクランプレンジ 10個入り uxcell EPDMラバーライニングPクリップ ホースクリップ ゴム 304ステンレス鋼 シルバートーン 48mm直径 ブラック 2個入り
 
これらの部品でお湯の生成ラインを製作していきます。
また、先の温水ヒータ−のところで紹介したYoutube動画からシャワールームのアイデアをいただいたのでそれも準備します。
以前オーニングテントは製作したのですが、これを毎回展開するのは大変ですので、同様にワンタッチのテントとスノコを購入しました。 テントは瞬時に展開できますし、10秒もあれば畳んで収納可能です。

これをエントランスドアの外に固定し、シャワー切替できる車内のギャレーの水栓を車外に出せばお湯シャワーがそのままルーム内で使えることになります。
ワンタッチルーム NBBOR-BL ロゴス クーラーボックス アルミスノコ4030 71902008

まずは水の循環ラインを組み立てて行きます。費用的には上記全部で送料等も含めて3万円程度で済みました(嬉)。
 
これが阪口製作所さんのヒートエクスチェンジャーとその他準備したパーツ類です。
 
ヒートエクスチェンジャーはスズキキャリイDA16Tのヒーターインレット側のホースを切断して入れました。 本体を支えているのはダイソー100均のステンレストレイですw。 6oシリコンホースをヒートエクスチェンジャーから後部キャビン内へ延長します。片側約3mあります。断熱のために水道管用断熱材でくるんで固定します。

とりあえず、真冬(1月30日)に水のラインが完成したので、まずはアイドリングのみで温水生成してみます。外気温は6℃。タンクに10リットルの水を準備して水温9.7℃からテストします。
エンジンが冷えた状態からスタートして、アイドリングで10℃10リットルの水が42℃になるまでの時間を測定したところ、8分後には20℃になり、42℃になったのは26分後でした。20リットルのお湯であれば45分程度で沸くことになります。

うん、停泊場所に停車してビール飲んだりテント拡げたりしている間、アイドリングでもこのくらいでお湯ができるのであれば体感的にもまあ許容範囲ですかね。
しかも軽自動車のアイドリング1時間ではだいたいガソリンを450ml弱くらい使うようですので、安価で(1時間だとしても約75円)お湯のシャワーが浴びれることになります。 ちなみに、今回使った静音小型ポンプ、めちゃ静かで動作しているのかがわからないレベルですw。

温度センサー付きコントローラー(12V用)をエントランスドア横の水タンク収納キャビネットに付けました。これのON-OFFスイッチも増設。 キャビネットの中の水の循環ラインです。小型ポンプが静かすぎて、動作確認できるのがコントローラーのLED表示に頼るしか方法がないw サーモスタットXH-W3001の設定は△長押しで最低維持温度42℃、▽長押しで最高維持温度43℃にします。
設定温度に達すると小型ポンプは自動停止します。これで42℃くらいを維持出来るわけですね。

さて、今度はエンジンが冷えた状態から3分間のアイドリングの後、一般道を走行しながらの温度変化をみます。
4分後には20℃になり、なんと10℃10リットルの水は10分で42℃温水達成です。20リットルだと20分ですね。もちろん、条件次第で数値は変わると思いますが、車中泊で使用する状況を考えるとこれで十分そうです。

サーモスタットで42℃で停止する設定にしていますので、その後のタンク内水温は42.2℃〜43,2℃くらいを維持しています。一般走行するだけで、ここまで早く42℃の温水が準備できるとは思いませんでしたね。 いえいえ、とても満足です。
 

 尾上製作所(ONOE) ウォータータンク20L ノズル付 OWS-20N

k-aiのキャビネットには元々純正で10リットルタンクが2個搭載されていますが(ひとつはブラックタンク)、以前、地面が土の場合は直接屋外排水できるようにしていたので、シャワーのときは20L一気に沸かせるようにタンクを入れ替えました。amazonで検索したところ、上記のタンクがk-aiのキャビネットにジャストサイズで収まる商品です。
元の10リットルポリタンクは口が小さくて(灯油用?)中を綺麗にうまく洗えませんでしたが、こちらは水専用タンクなのでちゃんと洗うこともできます。

それでは、続いてシャワールームも設定していきます。展開・設置には2分もあれば十分です。
 
ワンタッチルームをエントランスドアのところに固定します。 収納もあっという間にできるのがいいですね。 車内のドア枠に設置した強力クリップでテントの骨組みを確保します(力が弱いと風で飛ぶ恐れがあるため)。 テント内から見たところ。引き出し式シャワーはこんな感じでセットできます。水量はキャビン内に手を伸ばせば、水栓で普通に調整できます。
ところで、k-aiのFFヒーターの送風口はエントランスドアの真向かいに付いているので、ドアの外にワンタッチルームを設定すると、ちょうど「暖房機能付きシャワールーム」になります笑。
これは寒い時期にはかなり有り難い装備かもしれませんね。

あと、キャブコンのシャワールームって使った後はちゃんと水切りして床や壁面を拭かないといけないとか排水タンクの後処理などの面倒もありますが、テントだと気にする必要もない(リアボックスに畳んでそのまま収納するだけ)ので、結構使い勝手がよさそうです。安いので、汚れが気になるようなら買い換えてもいいですしね。

はい、これでお風呂のない所に行っても、安全に(車内で直火とか高温物体を使うのはリスクが高い)エンジンの排熱を利用した温水生成が出来るわけですので 、快適に過ごせることになりそうです。
車中泊時のみならず、災害時とかでも重宝しそうですね!
 


続く・・・

 


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